浮世絵「意勢固世見 見立十二直 建 皐月初幟 暦中段づくし」

「暦中段づくし」という各月の年中行事や風俗を描いた揃物の一つで、本作は皐月(五月)を描いたもの。立派な鯛の御馳走を前にする女性二人の背後には、菖蒲太刀が掛けられ、さらに右上のコマ絵には鯉幟や鍾馗の幟など、端午の節句の様子が表現されている。鯉は滝を登り切ると龍になるとされ、男子の出世を願うめでたい意匠として好まれ、やがて鯉幟は、兜や菖蒲太刀とともに端午の節句に欠かせない飾りとなった。
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